統一部の高官は、「関連法を遵守し、南北関係の状況を考慮し、人々の生命と安全を守るために、不必要なリスクをもたらしかねないビラ散布は控えねばならない」と語っている。
自由北韓運動連合の朴相学代長は聯合ニュースからの取材に、同団体がドローンを使って「できるだけ早急に」北朝鮮に反対するビラを送る予定を明かしていた。ビラ散布には通常、大型の風船が用いられるが、この方法は冬場には向かない。
これまでのビラ散布
自由北韓運動連合は2020年4月にすでにドローンによるビラ散布を行っている。
2021年もまた、北朝鮮体制を誹謗した資料や医薬品、コロナウイルス対策の物資を載せた風船を数回にわたって朝鮮に送った。こうした動きに朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、「国境を越えて飛んでくるもの」はコロナウイルスを運んでくる恐れがあるとする記事を掲載して対抗した。
法的基盤
2018 年4月27日、板門店で成立した南北朝鮮サミットでは和平を回復し、煽動内容のビラ送付を含むすべての敵対的活動を停止する合意が結ばれた
韓国の活動家が北朝鮮へビラを散布することで、南北関係は幾度も緊張もたらしてきた。2020年夏には北朝鮮は「我慢の限界」に達したとして、両国間のほぼすべての接触を打ち切るにまで至っている。
会談後、韓国議会は南北関係発展法の改正案を可決。改正案では北朝鮮への宣伝ビラなどの送付は禁止され、配布した者は、3年以下の懲役または3000万ウォン(約318万円)以下の罰金を科される恐れがある。この件で自由北韓運動連合の朴相学代表は立件されている。ビラ送付禁止の反対派はこの改正案について、言論の自由を侵害するものであり、違憲と主張している。
統一部は先に、拡声器放送の再開と国境を越えた反ピョンヤンのビラ配りについて法的調査を開始したと発表した。尹 錫悦大統領は1月4日、北朝鮮が韓国の境界線を侵犯する新たな挑発行為があった場合、2018年の南北軍事合意の中断を検討するよう命じた。