グテーレス氏は演説で「私は第二次世界大戦中にはまだ生まれていなかったので、私の言葉は意味を持たないかもしれない。しかし今日、私の人生において最悪の状況が形成された」と強調した。同氏は、今日の国際社会にとって最も切迫した問題は気候変動と地政学的な分断だとの考えを示した。
グテーレス氏は、気候の大惨事を食い止めることができなければ人類は滅亡の危機に瀕すると警告し、この地球規模の課題に対応できる唯一の方法は力を合わせることだが、国際社会における地政学的な分断と相互不信の高まりにより、現状では不可能だとの見方を示した。同氏はまた、国際社会が連携協力できなければ世界は格差の拡大、インフレ高進とエネルギー不足による生活費の危機、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) パンデミックの長引く影響といった問題に対処することはできないと指摘した。
グテーレス氏は、その他の問題にも懸念を示している。同氏は、現在の状況は冷戦時代よりもはるかに危険であるため、自身の人生において最悪の状況だと述べた。グテーレス氏は、冷戦時代よりも危険だと考える理由について、現在、軍事紛争が制御不能に陥らないことを保証できるメカニズムはほとんど残っていないからだと説明した。
スプートニク通信は先に、今日、国連の決定は多くの国によって妨げられていると報じた。アレクセイ・エルホフ駐トルコ露大使は、ロシア、国連、トルコ、ウクライナの4者の協議によって結ばれた協定「穀物合意」について、その一部である「ロシア産農産物輸出正常化に関するロシア・国連間の相互理解覚書」の実現に進展が見えないと表明し、「ロシアの生産者や供給業者は依然として銀行支払いの停止、法外に高い関税、港湾立入阻止などに直面している」と述べた。
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