引き上げ幅は8割程度になる予定。地政学的リスクの高まりが続いていることから、リスクの一部を引き受ける再保険会社が保険料の引き上げを決定したためだ。
日本経済新聞によると、大型LNG船の船体価格は200億円規模だが、戦争による沈没や接収の被害に遭った場合、全損扱いとして、船体価格を補償するという。保険料はこれまで1200万円程度だったが、今後は2000万円超になるとみられている。保険料の増額は、日本企業が参加する石油・天然ガス事業「サハリン2」からLNGを運搬する費用に影響する。
また、ウクライナ危機が長期化すれば、今後も保険料は上がる可能性がある。ロシア領海を航行する日本向けの船舶戦争保険の提供継続は、ウクライナ情勢と再保険市場の動向次第となる。
2022年12月29日、日本の損害保険会社がロシア海域で船舶の沈没などの被害を補償する保険を2023年1月も提供を継続することが明らかになった。これより前、損保各社が年明けから保険提供を停止すると取引先に通知していたことがわかり、「サハリン2」からのLNG輸入の停滞が懸念されていた。