【解説】クリル諸島周辺海域での日本漁船の操業条件に関する協議をロシアが拒否 日本の水産物市場に打撃

1月19日、ロシアは、クリル諸島周辺海域での操業条件を決めるために毎年行われている政府間交渉の日程について、情報提供できないと日本側に通知した。2023年の漁獲枠は昨年末の両国のオンライン交渉で妥結していたにもかかわらず、である。ロシアは今回の交渉停止を日本の対ロシア制裁と直接関連付けてはいないものの、これが交渉拒否の本当の理由だと考えられる。今回の決定が直近の日本漁船の操業に悪影響をもたらすと考える日本側は、ロシア側の決定に激しく反応した。
この記事をSputnikで読む
松野博一官房長官はロシア側の対応は受け入れられないと発言。松野氏は、1998年に結ばれた両国政府間の「海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」は20年以上の長きにわたり日本漁船の安全な操業を確保してきたことを指摘し、「このような状況を踏まえると、ロシアがこうした対応をとったことは受け入れられない。日本政府は、早期に操業を開始できるよう、早期に協議に応じるようロシア側に粘り強く求めていく」と強調した。
1998年以降、ロシア政府と日本政府は毎年始めに、両国の領海周辺海域での操業条件を互恵的な形で決定するための協議を行ってきた。この協議は1998年2月に締結された「海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」に基づいて行われてきた。この協定は、両国の立場を害さないという原則のもと、クリル諸島の四島周辺海域での日本漁船の安全操業を保障すること、および生物資源の保護、合理的利用、再生における日露協力を目的としている。
【解説】制裁発動中であるにもかかわらず、ロシア産のタラバガニとすり身が日本に大量に運ばれている
今回と同様のことは2022年6月にも起きている。当時は、日本政府が上記協定に基づく協力金を支払うまでロシアは安全操業に関する政府間協定の履行を停止すると、ロシア外務省が発表した。係争が解決し、ロシア側に1億5000万円が送金された後の9月末、日本漁船は操業を再開した。昨年12月末には、日ロ漁業委員会第39回会議が行われた。この会議の決定により、日本漁船は2023年にロシア水域でサンマ31,824トン(2022年は56,424トン)、スルメイカ5,619トン(2022年と同じ)、マダラ3,000トン強を漁獲でき、ロシア漁船は日本の排他的経済水域でサバ38,000トン、マイワシ8,000トン、イトヒキダラ2,000トンを採取できることになった。ポータルサイトSeafood Sourceの試算によると、全体の漁獲割当量は2022年から30%減少した。
投資会社「IVA Partners」の専門家アルチョム・クリュキン氏によると、現状に関しては、ロシア側が明らかに優位な立場にあるという。
「第一に、日本の水産物市場は、ロシア水域から供給される水産物にかなり依存しています。ですから、日本側は西側の制裁政策にコミットメントを示すのか、自国の市場と漁業会社の利益を取るのか、選択を迫られています。第二に、ロシア産の水産物は韓国やアメリカなどの国々でも大きな需要があります。さらに、欧州との貿易が縮小する中、国内需要も増えています。第三に、外交の面から言って、最初に非友好的政策を始めたのは日本側であり、ロシア側は道徳的優位にあるのです・・・」
コメント