南米の気球も中国のものと認める 日本の類似事案は「把握せず」 中国外務省

中国の気球が米本土上空を飛行し、その後撃ち落された事件に関連し、中国外務省の毛寧(モウネイ)報道官は6日、南米で確認された気球についても中国のものであると認めた。CNNなどが伝えている。
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これまでに米国防総省は、米国上空で確認された気球とは別に、南米でも中国のものと思われる気球が見つかったと発表。コロンビアや周辺のラテンアメリカ諸国で目撃情報が相次いでいた。
CNNによると、6日に行われたブリーフィングで毛報道官は、南米で確認された気球も中国のものだと認めた。気象条件や技術的問題から、予定されていたコースから「大きく外れ」、ラテンアメリカ諸国の上空に「誤って」飛んで行ったと、米上空の事例と同様の説明をしている。
一方、日本の磯崎仁彦官房副長官は同日、日本でも2020年6月と2021年9月に、今回の中国の気球と似た飛行物体が確認されており、米国の事案と関連を分析していると明らかにした。
毛報道官は、日本の類似事案も中国の気球かとの記者団からの質問に対し、「ご指摘の情報については把握していない」と述べ、それ以上のコメントを控えた。
【視点】中国の偵察気球が米国上空を通過
米国防総省は3日、米国上空を飛行する中国の偵察気球を数日前から追跡していると発表した。中国政府は気球は民間の気象観測用のもので、気候条件によりコースを外れてしまったと説明し、他国の領域を故意に侵犯したことはないと主張した。
米軍は4日(日本時間5日未明)、米本土上空を飛行していた中国の気球を米沿岸近くで撃墜。ロイド・オースティン国防長官は、これが米国内の戦略目標を偵察するための中国の軍事用気球だったと発表した。これを受け、中国外務省は「中国は、米国による民間用無人航空船への武力行使や攻撃に対し、強い不満と抗議を表明する」との声明を発表した。
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