副総裁には日銀の内田真一理事と、前金融庁長官の氷見野良三氏を起用するという。岸田文雄首相はこの人事案を14日の国会で提示し、できるだけ早期に同意を得たいとしている。
植田氏は1974年に東京大学理学部を卒業後、93年から同大学の経済学部で教授を務めた。98年から7年間は日銀の審議委員を務め、日銀によるゼロ金利政策の導入を理論面で支えた。同紙は、金融政策に深い知識と経験を持ち、より中立的な立場で金融緩和政策の検証と修正を取り組める植田氏が総裁として選ばれたと指摘している。
黒田総裁の任期は4月8日まで。黒田氏は就任直後の13年から金融緩和政策を進めていった。この政策によって円高是正などの効果もあったとされているが、市場機能の低下などの事態を招いた。また黒田氏は2022年末、金利の上昇圧力が高まるなかで長期金利の許容変動幅を0.25%から0.5%に広げた。