「Italy 24 Press French」によると、メローニ首相を怒らせたのは、EU(欧州連合)首脳会談前の8日、ウクライナのゼレンスキー大統領がフランス・パリを訪問し、マクロン仏大統領、ショルツ独首相と会談を行ったこと。ここに招待されなかったことに不満を抱いているようだ。
10日、ベルギー・ブリュッセルで行われたEU首脳会談後の記者会見で、メローニ首相は次のように述べている。
「もし私が招待されていたなら、マクロンにこの会談を取りやめるよう勧めていたでしょう。なぜなら、我々に大事なのは(編注:EU全体と)ウクライナとの団結を伝えることだからです」
さらにメローニ首相は、EUの他の首脳を差し置いて「抜け駆け」する形でゼレンスキー大統領と会談した仏独の振る舞いを念頭に、タイタニック号沈没事故を引き合いに出して次のように述べている。
「EUをセリエA、セリエBのクラブのように、 より大事な人とそうでない人がいると考えている者は、欧州を弱体化させている。ファーストクラス、サードクラスなどという考えは間違いだ。タイタニックを思い出すがいい。船が沈むときに、チケットがいくらしたかは重要ではないのです」
イタリアが孤立しているとの記者団からの指摘に対しては、パリの会談ではEU全27カ国中25カ国の首脳陣が不在だったことを挙げて反論。また、仏伊関係が冷え込んでいるとの懸念に関しては、今回の一件でマクロン大統領との関係が傷ついたということはないと説明した。
メローニ首相が不満を表明するのは初めてではない。9日にもパリでの3カ国会談は「不適切」と苦言を呈していた。
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