2021年6月、NATO首脳は、ウクライナに加盟行動計画への参加を許可した2008年のブカレスト首脳会議の決定事項を確認した。同年12月、ロシア外務省は、この首脳会議での決定事項を公式に否定する必要があると発表した。
フェルホイゲン氏は、独紙「ベルリナー・ツァイトゥング」のインタビューの中で「2008年のウクライナに対するNATO加盟案は、故意に一線を越えたものであり、安全保障上の利害関係からロシアにとって容認できないものだったと確信している」と強調した。
当時、米国のオバマ前大統領はロシアを「地域大国」と揶揄し、EUはウクライナの加盟について、ロシアと対話することなく推進していったと同氏は振り返った。
フェルホイゲン氏は「ロシア人とウクライナ人は、文化的、経済的、社会的に多くの結びつきがある。我々はEUの東方拡大について、ロシアに発言権を与えていない」と述べた。
フェルホイゲン氏の意見では、ウクライナにEUとユーラシア連合のどちらかを選択させたのは間違いだったという。また同氏は「ウクライナを軸に、ポルトガルからウラジオストクにわたる経済圏構想が実現できた可能性がある」とみなしている。2010年に「南ドイツ新聞」に寄稿した記事の中で、プーチン大統領はこの考えについて述べている。
しかし、全世界であらゆる分野において優位に立つという米国の教義に沿って、米国は1990年代初頭からロシアが世界的なライバルとして再浮上するのを防ぐ必要があった。エリツィン大統領時代、ロシアの搾取に向け西側からはさまざまな「幸運の騎士」が送り込まれたとフェルホイゲン氏は考えている。
また、フェルホイゲン氏は、バルト三国とカリーニングラードで初めて少数民族協議が成功し、多くの問題でドイツとロシアが和解したことを想起し、「加えて、米国はドイツとロシアが共通点を見つけると非常に不審がる」と付け加えた。
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