地中海は穏やかな海域であり、津波の心配は少ないといわれている。船長らは危険な海だとみているが、地中海は「活動レベルが穏やか」な海である上、中規模の海であることから、かつてインドシナや南米、日本の海岸を押し流したような大規模な津波や水の塊が大きく動く様子を人々は想像しにくいという。しかし、研究者らは、地中海地域には多くのプレートが集中しており、最近のトルコやシリアの地震のような大きな災害を引き起こす恐れがあると指摘している。また、激しい「揺れ」は「大津波」を引き起こす恐れがあり、これはかなり近いうちに起こる可能性がある。ユネスコの政府間海洋学委員会はすでに2022年の夏の時点で、今後30年以内に地中海で津波が発生する可能性が高いと警告している。
13日には、イタリア南部とスペインの海岸に津波警報が発令された。同紙によると、専門家らは、これらの国々とトルコやシリアの震源地との距離は数千キロだが、このエリアの海水がどのような動きをするのかどうか警戒・監視を行ったという。スペインではこの種の大きな津波によって大西洋沿岸で数百人が命を落としたのは1755年のリスボン地震が最後だが、同国は2021年5月、津波に関する国家レベルの防災計画を策定した。また1755年の地震では推定で10万人近くが亡くなった。
同紙によると、津波は地震だけでなく、海底火山の噴火によって引き起こされる可能性もある。国際研究チームは1月、ギリシャのサントリーニ島沖の穏やかな海の下に位置するコロンボ火山の地下500メートルに、新たなマグマポケットを発見した。研究者らによると、この海底火山は今後150年以内に噴火し、エーゲ海に壊滅的な津波を引き起こす恐れがあるという。以上のことから、地中海は地震という面では穏やかな地域として扱ってはいけないと同紙は指摘している。
スプートニクは以前、2022年秋にメキシコで発生した地震が、震源から2400キロメートル離れた先にある砂漠地帯で「砂漠津波」を引き起こしたと報じた。当時、米カリフォルニアにあるデスバレー国立公園の洞窟内で、普段は穏やかな水が周りの石灰岩に打ち付けられる現象が確認されたという。
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