同紙によると、IEAは今月公表した月報で、2023年の世界の石油需要は前年比200万バレル増の日量1億190万バレルと予測、過去最高となる見通しを出した。
月報では、主にアジア太平洋諸国で石油需要が伸びるとされており、石油需要の伸びの予測は日量160万バレル増で、その半分以上(日量90万バレル増)を中国が占めるとの見通しが示されている。
世界のジェット燃料需要もアジアで最も高くなる見込み。欧州連合(EU)加盟国ではジェット燃料の需要の伸びが前年より鈍化してわずか日量39万バレル増となる見通し。なおIEAは、世界のジェット燃料需要は日量720万バレル増加すると予測している。
IEAによると、2023年の世界の石油生産量は米国、ブラジル、ノルウェー、カナダ、ギアナなどの生産国によって日量120万バレル増加する見通しだが、伸び率は前年よりも低下する見込み。IEAはまた、2023年上半期は世界の石油供給が需要を上回るとみられるが、石油の必要性は高まって需要はすぐに供給を上回る可能性があるとの見方を示している。
またIEAは、ロシアに対するさらなる制裁を懸念している。ロシアのノバク副首相は、西側諸国がロシア産石油・石油製品に上限価格を設定したことを受け、ロシアは今年3月から原油生産を約5%、日量50万バレル削減すると発表した。リベラシオンが報じた。
スプートニク通信は先に、ゴールドマン・サックス・グループのチーフ・コモディティ・アナリストのジェフリー・カリー氏も、対露制裁によるロシアの石油輸出の減少と中国のエネルギー需要の増加によって、早ければ2023年にも原油価格は現在の1バレル約80ドル(1万580円)から100ドル(1万3230円)を超えるという予測を発表したと報じた。
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