また大統領は、北大西洋条約機構(NATO)は新STARTに基づく査察の再開をロシアに求め、事実上、新STARTの当事国となることへの希望を表明したと指摘し、ロシアはこれに同意すると述べた。
プーチン大統領は「NATOには米国という核大国が1か国加盟しているだけではない。英国やフランスも核兵器を保有している」と述べ、新STARTの議論に戻る前に、ロシアはフランスおよび英国の核兵器をどのように考慮するかを理解する必要があると指摘した。
大統領はまた、米政府はすでに核兵器の自然実験について考えており、ロシアはそのような情報を入手していると述べた。
「ロシアが最初に核兵器の実験を行うことはない。米国が核実験を実施した場合には、ロシアも行う」
新STARTは2021年、2026年2月5日まで延長された。ロシアと米国は、核兵器の制限に関する将来の条約のパラメータについて合意し始めたが、ウクライナで特殊軍事作戦が始まったあと、対話は中断した。
なお、ロシアは新STARTの条項を遵守していると繰り返し強調した。ロシア外務省は、100以上の戦略兵器を同条約の効力範囲から違法に外したのは米国だと指摘した。
ロシアの分析機関「戦略情勢センター」のイワン・コノワロフ所長は、スプートニクの取材に対し次のように述べている。
「新戦略兵器削減条約は国際的安定性を維持する最後の砦となっている。プーチン大統領の発言は、ロシアが条約から抜けることを意味するわけではない。ロシアは参加を『停止』するだけだ。
これは完全に公正であり、要求ですらなく、新戦略兵器削減条約や領空開放条約などロシアとの合意が相次いで崩壊したことに関して、自らの行いをよく考えるよう米国に提案するものだ。
米国がロシアの領空で監査をできるのに、ロシアが米国の領空での監査を許さないとすればどこが平等で、公平性があるといえるのか。これらはすべて、覇権を持つという米国の唯一の目的のためのもので、我々はそれを看過することはできない」
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