参議院 日銀総裁候補の所信聴取 植田和男氏の行う政策は?

日本銀行の黒田総裁の後任候補に指名された経済学者の植田和男氏は27日、参議院で所信聴衆と質疑に臨み、「現在の金融緩和はメリットが副作用を上回っている」としたうえで、金融緩和の継続が必要だという考えを示した。
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植田氏は質疑で「アベノミクスをどう評価するか」との質問に対し、「日銀と政府の共同声明に沿って必要な政策を実行し、結果としてデフレではない状態を作り出した。働き方改革などを通じて、人口が減少する中でも女性や高齢者を中心に雇用を拡大するなど、着実な成果が上がっている」と指摘。
アベノミクスの踏襲については「インフレ率が持続的、安定的に2%を達成するよう続けるという意味で踏襲する」と述べた。
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「異次元緩和の政策の有効性」について植田氏は、「現在の金融政策はメリットのほうが副作用を上回っている」と述べ、金融緩和の継続が必要だという考えをあらためて示した。
一方、金融緩和を縮小するいわゆる出口戦略については「持続的、安定的に2%のインフレ目標が達成でいる見込みが得られるようになった時に、出口戦略を開始することになる」として、今後の経済や物価情勢の変化に応じて最適で望ましいやり方に変わるとのコメントに留まった。
植田和男氏は71歳。マクロ経済学や金融論の分野では日本を代表する経済学者の1人。1998年から7年間日銀の審議委員を務め、「ゼロ金利政策」や「量的緩和政策」の導入を理論面で支えた。
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