同大学は、「研究者らは、高高度で吹く風の速さを利用して、船舶に荷積み・荷下ろしを行う方法を開発した。秒速8.3〜13.8メートルの風速で発生する揚力を利用して、ヘリウム気球に積んだ貨物を地上1キロメートル以上の高さまで持ち上げる。そして、振り子の原理を利用して、ウインチ、リフティングブロック、制御ケーブルなどを使って、船あるいは陸上に貨物を運ぶのだ」と報告している。
この技術における重要なポイントは、気球の形状。気球は受け皿のような形状で、その形によって吊り上げ能力と安定性が向上する。風を利用した荷積み・荷下ろしモデルは、経済的かつシンプルな構造になっている。
この輸送システムは、短時間で貨物を移動させる必要がある場合のために開発されたが、このために特別なインフラが整備される必要はない。研究者らは、この技術は東南アジアやオセアニアなど、河川が多く、海上の国境線が非常に長い国々で需要があるのではないかと考えている。
研究者らは、さまざまな分野において運搬する手段として風を利用しようとしている。スプートニクは以前、フィンランドの研究者が、植物に人工的に受粉させる目的で、重さ1ミリグラム強の「タンポポのロボット」を開発したと報じた。
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