投資銀行「リーマン・ブラザーズ」は100年以上存続し、米国銀行業界のリーダー的存在だった。2008年9月15日に破綻するまで、そして世界的危機の新たな段階を宣言するまでは。シリコンバレー銀行の破綻が連鎖的な金融危機を招くかとのスプートニク通信の質問に対し、元副会長は、現在のシステムに対する投資家の信頼失墜は「グレーゾーン」を生みつつあると答えた。今後の1、2カ月で経済活動やGDP、雇用が急速に落ち込む流れになるだろうという。同氏は「FRB(連邦準備制度)はインフレの消火を試みつつ、実際はさらにもう一つの火事を起こしている」と語る。景気後退が起きるのは現時点では間違いないと指摘した。
米国銀行の連鎖倒産についてマクドナルド氏は、2008年のリーマンショック後に行き着いた新金融システムでは、一部銀行は「破綻する」には大きすぎるとコメントした。加えて、地方銀行にとって現在の金利急変は、地方銀行から数千億ドルが大手銀行に、その後は国債への流れを生んでいる。この構造的問題が解決される前に、さらに50行が破綻する可能性があると同氏は語る。政治家は25万ドル(約3267万円)超の大口預金の流出を本格的に抑える策を講じる必要があるだろう、とした。
マクドナルド氏によると、米国政府は銀行危機安定化に少なくとも2兆ドル(約261兆円)を費やす必要があるという。さらにFRBは今年末までに金利を100ベーシスポイント下げると予測している。
FRBはこれより前、金利を2007年以降の最大値、25ベーシスポイント増の4.75-5%まで引き上げた。この1年間で8回目となる。規制当局は、米国のインフレ率は依然として高く、さらなる金融引き締めが妥当であるとのコメントを発表。プレスリリースでは、米国の銀行システムは「信頼性が高く安定している」としているが、銀行セクターの現況の影響規模は定かではない。
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