「劣化ウランを含む兵器を使用することの主な危険性は、化学毒性を持つ重金属であるウランの微粒子による環境汚染(土壌および水域)であり、それは食物連鎖を通じて人体に入るおそれがあると断言することができる」
ステパネンコ氏は、劣化ウランは地殻から採掘された天然ウランから得られると説明した。ウランは、別の放射性同位体に崩壊し、その後、最終的に鉛の安定同位体に崩壊する3種の放射性同位体で構成されているという。
またステパネンコ氏によると、劣化ウランは鉛のような重金属であり、その化学毒性は暴露経路、粒子の溶解度、接触時間に関係する。
同氏は、1991年の湾岸戦争、ボスニア紛争、セルビア空爆、また2003年のイラク戦争で米国が劣化ウラン弾を使用したことに言及した。
劣化ウランの同位体組成はウラン238が99%以上で、ウラン234とウラン235は少量。ウラン235は、原子力エネルギーや核兵器製造で使用されている。劣化ウランは、高い運動エネルギーを有する装甲を貫くことに特化した砲弾の核芯に使われている。ウランは自然発火性物質(その微粒子が空気中で自然発火する)であるため、ウランを使用した砲弾は、とりわけ数倍高価なタングステンをベースにした核芯の砲弾よりも装甲を破壊する能力がはるかに高い。
米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報調整官は今月23日、劣化ウランに放射能の脅威はなく、核兵器に分類されるものではないと主張した。
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