東葉氏によると、軍事用の核兵器の改良プロジェクトに関する正恩氏の指示とは別に、同メディアが示した写真には特別な注意を払う価値があるという。
その写真には、戦術核「火山(ファサン)31」が写っており、これは第5回核実験で実証されたものと比較すると小型化、軽量化、標準化されているように見える。
北朝鮮で27日、核兵器開発計画について議論する金正恩総書記
© 写真 : KCNA
写真の中の正恩氏の背後には、「火山31」が搭載されたミサイルの複雑な構造図があるように見え、8種類の運搬手段(これにはミサイルはもちろん、戦術的なものだけでなく潜水艦などが含まれる)と組み合わせることが可能であることを示しているという。
東葉氏は、正恩氏が、北朝鮮が核弾頭の数を「第2次攻撃」に十分なレベルまで増やすことを発言することで明らかにしたと指摘している。
また、朝鮮中央通信は、27日に戦術弾道ミサイル2発の空中爆発実験が行われたと報じた。この報道について東葉氏は、これらは訓練中隊による試射訓練であると指摘している。
「つまり、訓練中の複数の部隊がそこに配備され、戦術核ミサイルが大量生産と警戒配置の段階に入ったことを示している」
東葉氏によれば、より大きな懸念事項は、21日から23日にかけて、25日から27日にかけてテストされた核無人水中攻撃艇「ヘイル1」だという。
「前回は(潜行時間は)59時間という時間だけが報じられていたが、朝鮮中央通信は今回、600キロに及ぶルートを41時間27分で潜航したと、実験の状況も明らかにした。つまり、平均速度は7.8ノット(時速14キロメートル超)だったということだ。59時間で計算し直すと距離は850キロメートルになるが、速度が上がると最大航続距離が短くなることを考えると、水中の『ヘイル1』の速度は8ノット(時速15キロメートル)で、航続距離は600~700キロメートル程度ではないか思う」
東葉氏は、北朝鮮のどちらの海岸(朝鮮半島の西海岸と東海岸)から発射しても、韓国のどの港にも到達し、漁船を利用すれば、日本やグアムにも到達すると指摘している。
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