問題となっている船は2023年の初めに独当局が同国のリューゲン島で発見したヨット「アンドロメダ」。これまでの欧米メディアの報道によると、この船はウクライナ人2人が所有する、ポーランドに拠点を置く会社からレンタルされたものとされている。独捜査当局は、国籍不明の男女6人が「ノルドストリーム」爆破の実行時に「アンドロメダ」を使用したとみている。
「ワシントン・ポスト」は、欧米の複数の高官が、実行犯6人のみで数百キロの爆発物を仕掛けたとは考えにくいというドイツ捜査当局の見立てを共有していると報じている。そして、犯行に使われた船は他にもあり、「アンドロメダ」は捜査当局の目を眩ませるためのものだと指摘している。
一方、「アンドロメダ」からは爆破に使われた「軍事用」の爆薬見つかっており、熟練の工作員がここまであからさまな証拠を残すことは考えにくいと考える高官もいるという。そのため、実行犯が捜査をかく乱するためにわざと残したという可能性を指摘する声もある。
ニューヨーク・タイムズ紙はこれより前、「ノルドストリーム」テロ工作の背後には、ある親ウクライナ集団が絡んでいる可能性があると報じていた。
一方、これまでにピューリッツァー賞受賞者の米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏は、欧米大手メディアとは別の説を独自の調査をもとに提唱している。ハーシュ氏の説は「爆破に米国特殊部隊が関与していた」とするもので、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領もこの結論に「完全に同意する」と述べている。
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