中国が人民元建て貿易を拡大 米ドル支配に挑む=メディア

ブラジルと中国は3月30日、貿易取引の決済で人民元を用いることで合意し、両国間の協力関係を拡大する計画を発表した。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、これは中国が貿易上の優位性を活かして、主要な貿易パートナーとの間で自国通貨の使用を促進し、人民元の強度を高め、国際通貨システムにおける米ドルの優位性に挑戦している一例であるとみている。
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同紙によると、中国が人民元での決済を促進することは、中国政府がドル資産への依存度を下げ、米国によって「金融的に締め付けられ」ていることを防ぐ方法の一つであるという。
同紙が専門家の意見を引用したところによると、一帯一路構想に参加している国々への投資、中東諸国とのエネルギー貿易、国境を越えたデジタル決済などで、人民元がより広く使用されることが期待されているという。
欧州中央銀行のデータによると、人民元は現在、世界の決済の2.19%、世界の外国為替取引の3.5%、中央銀行準備の2.69%を占めるに過ぎない。同紙は、人民元が米ドルやユーロに比べて兌換性が低く、中国当局が厳格な資本規制を行っているため、人民元の海外進出は制限されていると指摘している。
対露制裁で進む脱ドル化 米国は自ら覇権の崩壊を招いている

経済面での脱ドル化は、ロシアにとっても優先課題

中国に加えて、ロシアも経済と対外貿易の脱ドル化を目指していることは注目に値する。ロシア当局は2018年の時点でこの件に関連する計画を承認している。ロシア連邦中央銀行によると、2022年、ロシアでの輸出品の支払いにおける人民元の割合は0.5%から16%に増え、ルーブルの割合は12%から34%に増加した。これは、ロシアに課せられた前例のない制裁の結果によるもの。
また、SWIFTのレポートによると、2022年8月、ロシアは中国国外での人民元決済のシェアで世界第3位にランクインしている。
3月に開催された露中会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアとアジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々との決済に人民元を使うことに賛成するとの考えを示した。
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