仏・パリのESCP経営大学院のマムドゥフ・サラメ教授は、カタールのテレビ放送「アリ・アラビ」の番組に出演したなかで次のように話している。
「OPECプラスの主要な産油諸国は、5月末から年末までの自主的な減産を決めた。これは米国や欧州で複数の銀行が倒れたことによる金融危機を受け、石油市場を安定させるための予防措置を取りたいという思惑からである。それと同時に、西側諸国から上限価格を導入されたロシアを支援するという動きでもある」
サラメ教授によると、OPECプラスの産油国は1バレル80~100ドルの価格帯で推移するのが財源不足を避けるのに最も良いとみなしている。そのため、世界中の金融危機や景気後退の流れを受けた昨今の石油価格低下は、産油国全体にとって不都合だった。また、ロシア産石油への上限価格の設定は、他の産油国にとってもマイナス要因となっており、西側諸国に対抗する「産油国同盟」でお互いを支援する動きが広がっているという。
このほか、主要な欧米メディアも「予期せぬ減産」と報じるなど驚きをみせている。また、西側諸国を中心に石油価格の高騰を懸念する声もあがっている。
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