日本政府は2022年4月にロシア産石炭の将来的な輸入削減を打ち出した。日本が2月にロシアから輸入した燃料用石炭は前年同月から7割減った。
段ボール大手の「レンゴー」は、年間約14万トンの石炭を使用し、全量をロシアから輸入していたが、インドネシア産に切り替えた。JERAも、2022年夏以降、ロシア産石炭の輸入を中止した。2021年度に石炭の約1割をロシアから調達していた東北電力は、代替供給先としてオーストラリア、インドネシア、北米に目を向けている。
一方、同紙によると、セメント産業はロシア産石炭への依存度が高く、調達先の切り替えには時間がかかる。日本のセメント産業最大手「太平洋セメント」は2022年度、ロシア産石炭の使用割合が約3割を占める見通し。2021年度と比べると半減したが、依然として高い水準にあると同紙は指摘している。
エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の関係者は「ロシアからは小型船で輸送ができ、セメント会社のような小口の消費者が調達しやすかった」と分析している。
また、同紙によると、各社は代替調達先の確保を進めるが、割高なコストが各社の経営の重荷になっているという。
2012年~2020年まで露エネルギー相を務めたアレクサンドル・ノバク副首相は以前、ロシア産石炭を拒否する国々の禁輸措置などによって、世界市場のバランスが崩れ混乱が生じていると指摘した。
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