ゲオルギエバ専務理事は、IMFの公式YouTubeチャンネルで公開された記者との対談のなかで、次のように述べている。
「現在の金融システムは、銀行業界の面でも、そうでない面でも以前よりずっとクリアなものになっている。でも、脆弱性が全くないことを意味するのではない。金利が低い時期があんなにも長く続いた後に、ここまで急激に上昇して、脆弱性がないということはありえない。そのうち何かが『ドーン』といくだろう」
さらにゲオルギエバ専務理事は、各国中銀のインフレ対策が金融システムの不安定性と経済成長の鈍化を招いていると指摘。一方、2008年のリーマンショック以降の大不況の再来には至らないとしている。
ゲオルギエバ専務理事はこのごろ、今後5年間の世界経済の成長は、3パーセントほどに収まるとの予測を示した。これは1990年以降で最悪の中期的予測となる。
一方、インフレ対策として金利引き締めを行う世界各国の中銀とは対象的に、日本はこの間大規模な金融緩和を継続してきた。その政策を推し進めてきた日本銀行の黒田東彦総裁は任期を迎え、9日には経済学者の植田和男氏が新総裁に就任する。任期中最後の定例会見で黒田氏は、金融緩和策の副作用について「副作用の面よりも金融緩和の経済に対するプラスの効果がはるかに大きいと思っている」と話していた。
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