G7の対露全面禁輸案 実現を阻む3つの障害

日本や米国などの西側メディアではこのごろ、G7(主要7カ国)によるほぼ全ての製品の対露輸出を禁止する案が浮上していると報じられている。5月のG7広島サミットでこの新たな対露制裁が議論されるかどうかが注目されているが、専門家は実現への道のりは険しいと指摘する。
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露コンサルティング会社「ネオコン」代表で経済アナリストのデニス・ラクシャ氏は、スプートニクに対し、全面禁輸案が浮上した状況に触れて次のように述べている。

「今回のリークの仕方に目を向けると、G7は本当に全面禁輸措置を取ろうとしているのではなく、遅かれ早かれ始まる交渉の序章としてロシア側に圧力をかけようとしているのではないか。リークが起きたのは4月で、5月末に開催されるサミットまでの1カ月間、このトピックを利用することができる」

また、ラクシャ氏は、たとえG7が全面禁輸で合意したとしても、国際社会を巻き込んだ実効性のある措置を導入するのは現実的ではないとの考えを示した。ラクシャ氏は全面禁輸案実現への主な障害として、次の3つを挙げている。
【視点】G7軽井沢外相会合ではどのような合意がなされたか?

EUの経済的ダメージ

欧州連合(EU)の対露輸出は500億ドル(6.7兆円)規模となっており、多くの雇用も生み出している。EU加盟国は自らの対露ビジネスの縮小・撤退や、人員整理を余儀なくされることになる。

G7以外の経済大国の動向

G7のメンバーでない経済大国(中国、インド、ブラジル、南アフリカなど)が全面禁輸に参加するとは考えにくい。これらの国が参加しなければ、本当の意味での全面禁輸措置は実現できない。

国連安保理の壁

実効性のある禁輸措置を導入するには、国連レベルで批准される必要がある。だが、国連安保理には当のロシアや一方的な制裁に反対の立場を示している中国が常任理事国として入っており、この案が支持されることは考えにくい。
このように、全世界が同意しない限り実効性のある禁輸措置は完成しえない。ロシアには国内企業やこれまでとは違う国からの製品で補う「輸入代替」や正規品を第三国から再輸出する「並行輸入」など、たくさんのオプションがあるからだ。
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