駐仏中国大使、クリミアに関する発言を受けペルソナ・ノン・グラータ通告を求められる

欧州議会議員80人近くは書簡にて、フランスのカトリーヌ・コロナ欧州・外務相に対し、「旧ソ連諸国の主権を否定した」として、中国の盧沙野・駐フランス大使にペルソナ・ノン・グラータを通告するよう求めた。仏紙ル・モンドが報じた。
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これより前、盧大使は、仏テレビ局LCIのインタビューに対し、クリミアは本来ロシア領であり、ニキータ・フルシチョフ氏の決定によりウクライナ・ソビエト社会主義共和国に移ったに過ぎないと発言。また、ソ連崩壊後の国家に対し、主権国家としての地位を規定する国際協定が存在しないと指摘した。
記事に掲載された文書には、このように述べられている。

「盧大使は、旧ソ連諸国が国際法において有効な地位を持たないと公言し、その地位を規定できる国際協定が存在しないことを指摘した。このような発言は、外交上許容される限度を超えている」

書簡を宛てた議員らによると、盧大使の発言は国際法に違反し、欧州諸国の安全保障を脅かすものと見なすべきだという。
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書簡では「我々は、盧大使の全く受け入れられない言動に対し、ペルソナ・ノン・グラータを通告するよう求める」と示されている。
クリミアは、1954年2月19日にソビエト連邦最高会議幹部会がウクライナ・ソビエト社会主義共和国への移管に関する法令を発布するまで、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国に属していた。政令を発案したのは、ウクライナで長く勤務していたニキータ・フルシチョフソ連共産党中央委員会第一書記とされている。ソ連崩壊後も、クリミアはウクライナの一部となった。
クリミアは2014年3月に実施された住民投票の結果、クリミアの有権者の96.77%およびセヴァストポリの住民の95.6%がロシアへの再編入を望んだため、ロシアの構成体となった。一方でウクライナは未だにクリミアを自国の領土と主張しつづけており、現在の状態を一時的な占領と位置付けている。これに対してロシア指導部は、クリミア住民の実施した住民投票は民主的手段でかつ国際法および国連憲章に完全な形に則っており、ロシアへの再編入は投票で選び取られたという立場を何度も繰り返してきた。プーチン大統領は、クリミア問題は「完全に解決済」と指摘している。
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