穀物合意 現状と今後の展開

国連事務総長、プーチン大統領に宛てた書簡をラブロフ外相に手渡し 穀物合意延長をめぐり

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は24日、国連安保理の傍ら、穀物合意の延長問題をめぐり、ロシアのプーチン大統領に宛てた書簡をセルゲイ・ラブロフ外相に手渡した。
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ラブロフ氏は、穀物合意の完全な実施に向けた案が記載された文書を受理したことを確認。次のように指摘した。

「グテーレス事務総長は、この取引でロシア側を最大限後押しするための取り組みについて語った。正直、今のところ、進展はあまり見えていない。グテーレス事務総長は、今後どのように進めていくかについての案を記述した書簡という形で、我々に自身の考えを伝えてくれた。もちろん、この書簡は検討する必要がある」

ラブロフ氏は、グテーレス事務総長との会談で、ロシアは穀物合意の実現に向けて必要なことを遂行するという西側諸国の意欲を見出していないと強調した。
露産穀物の輸出再開に向けた国連の努力は不十分=露外務省
一方、グテーレス事務総長は、ロシア側の合意の実施に関する懸念に留意したという。国連の報道部が声明を表した。

「グテーレス事務総長は、この点に関して、すでになされた進展に関する詳細な報告を行い、残りの問題の解決に向けて引き続き取り組んでいくという国連のコミットメントを改めて表明した」

穀物合意は2022年7月22日に、ロシア、トルコ、ウクライナ、国連の間で結ばれたもので、ウクライナの穀物、食糧、肥料を、オデッサを含む3つの港から黒海を通過して輸出することを見込んだものである。トルコ・イスタンブールの共同調整センターが船舶の移動を調整している。穀物合意は今年3月18日に期限を迎えることになっていたが、ロシア外務省は60日間の延長に合意すると発表した(5月18日まで)。
ロシア外務省は「システム上の」5つの問題、すなわち、ロスセリホズバンク(ロシア農業銀行)とSWIFT(国際銀行間通信協会)の接続、ロシア向け農機具の輸出再開、穀物を搭載したロシア船向け保険サービスの再開、ロシア船の寄港許可、アンモニアのパイプライン「トリヤッチ・オデーサ」の操業再開、肥料を製造するロシア企業に対する制裁解除といった問題の解決に進展がなければ、穀物合意の再延長は不可能だと警告した。
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