エルドアン大統領は体調不良に見舞われて以来、初めてオンラインでこの式典に参加した。式典でプーチン大統領はまず、エルドアン氏に挨拶を行った。
プーチン大統領は、アックユ原発はロシアとトルコにおける最も重要なプロジェクトであると指摘した上で、これにより両国の経済および近隣関係の発展が可能になると述べた。さらにプーチン氏は、トルコの天然ガス需要を満たすべく、あらゆる手段を講じると明らかにした。
エルドアン氏は、アックユ原発のすべての原子炉は2028年までに稼働すると述べた。
トルコ半世紀の夢「アックユ」が現実のものに
トルコで原子力の必要性が初めて議論されたのは、1970年代初頭のこと。トルコ電力庁の原子力部門が活動を開始した時のことだった。当時、原発建設のための最初の技術調査と用地探しが行われた。1976年にはトルコ南部の地中海沿岸にあるアックユが、トルコ初の原発建設の認可を受けたものの、1986年のチェルノブイリ原発事故を受け、1990年代に最初のプラント設計が発表されるまで、原発建設に関わる作業は停止していた。
トルコの原発プロジェクトの入札は4度にも及び、2010年5月12日にアックユでの原発の建設と運転における協力に関するロシア・トルコ協定の締結に至ったことは注目に値する。必要なすべての承認を経て、2018年4月2日、ロシアの第3+世代の原子炉(VVER-1200)を備えた1号機の原子炉建屋の建設が開始した。
2022年7月21日、同原発の最後の原子炉建屋となる4号機の土台が敷かれた。全原子炉(発電量の最大出力が4800メガワット)が稼働すれば、この原発はトルコの総電力需要の10%を賄うことになる。この原発は、年間で約350億キロワット時の電力を生産するとみられている。
トルコのエルドアン大統領によると、アックユ原発の稼働により、トルコは発電に使用する天然ガスの輸入量を減らし、黒海で生産される天然ガスを販売に向けることができる。エルドアン氏によれば、アックユ原発によってトルコの経済は65億ドル(約8720億円)を追加で得ることができるという。