サリバン氏は、ロシア、中国、ブラジルの当局は、ドルを放棄するさまざまなプロジェクトについてさらに議論を活発化させていると指摘している。同氏によると、その中で最も現実的なのは、BRICS諸国間の貿易決済に使う共通通貨の創設であり、それはすでに「brik」と名付けられているという。サリバン氏は、この新通貨の開発を主導しているのはロシアだと指摘している。
同氏は、ユーロも円も人民元も個別にドルに対抗することはできないが、BRIC共通通貨の見通しはまったく異なるとの見方を示している。サリバン氏は、BRICS諸国とは既存の世界秩序に不満を持つエネルギッシュな国々の集まりであり、それらの国のGDP(国内総生産)の合計は覇権を握る米国のみならず、「G7」の合計をも上回っていることに注目している。同氏は、BRICSの2020年の貿易収支が3870億ドル(約46兆4000億円)の黒字だったことを考慮すると、BRICS諸国は輸入コストをすべて自分たちでカバーする力を持っているため、「brik」に完全に移行することが可能だと強調している。
サリバン氏は、BRICSは共通の国境を有しておらず、既存のいかなる通貨同盟よりも幅広い商品を生産できるため、BRICSの通貨同盟は国際貿易において自給自足のレベルに達することができるとの考えを示している。
同氏はまた、BRICS諸国は互いに貿易を制限する必要はないとし、その理由は、BRICS加盟国はそれぞれがその地域の経済大国であり、世界中の国々がBRICSの新通貨でビジネスを行うことを望むと思われるからだと締めくくっている。
スプートニク通信は先に、19か国がBRICSに加盟する意向を表明しており、13カ国がすでに正式に加盟を要請、さらに6カ国が非公式に表明していると報じた。
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