ラポーザ氏は「ロシア経済は、インドや中国などの新興国が西側の制裁を無視しているおかげで、驚くほど回復している。IMF(国際通貨基金)によると、ロシアの2023年の成長率は、0.3%減とされるドイツや英国よりも高くなる」と記している。
欧州の景気後退は、エネルギー価格の上昇、移民問題、高インフレなど、ウクライナ紛争の影響と関連していると指摘。ラポーザ氏は、特に欧州の政治的分裂に注意を向けた。
「ウクライナでの戦闘行為は時間の経過とともにその分裂に拍車をかけるだけだ。ウクライナに戦車を派遣している米国とドイツに反して、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は最近、和平交渉を呼びかけて中国側についた」
また、ラポーザ氏は、2022年のウクライナのGDP減少率について29.1%だったと指摘。「今年は3%減となるが、紛争が続いていることを考えると、極めて楽観的な予測に思える。2023年1月、同国の失業率は10.6%まで上昇し、インフレ率は2023年3月に21%に低下したものの、2022年には平均30%となった。」
「ロシアは、少なくとも今のところ、ウクライナよりもはるかにうまくやっている」というのが同氏の見解だ。
ラポーザ氏によれば、ウクライナ紛争はロシアにとって大きな犠牲となることは誰もが予想していた。しかし、驚くほど高い代償を払うのは欧州だという。同氏はこのように締めくくった。
「戦闘行為が長引けば長引くほど、欧州にとっては苦痛であり、これに対して欧州ができることはほとんどないようだ」
これよりも前、米誌「アメリカン・シンカー」は、ウクライナ紛争をめぐる対露制裁は「西側諸国における大誤算」だと指摘した。
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