米アーカンソー大学フルブライト芸術科学大学のピーター・ジェイムズ・ガン氏が率いる生物学者チームは、火星の土壌に似せた土を使った稲の発芽実験の結果を発表した。実験に使われたのは3種類の稲で、そのうち2種類は遺伝子の組み換えが行われたもの。
研究チームはあらかじめ細胞の成長をつかさどるタンパク質の遺伝子に変化を加え、これにより、塩類集積土壌、低糖分、干ばつ、栄養素の不足に強い品質改良を行った。
実験のためには脱塩水と火星の土壌に似せた土5グラム入れた、複数の小型の植木鉢が使われた。植木鉢は、それぞれに強力な酸化剤となる塩化マグネシウムの濃度が異なり、温度は日中は33度、夜は23度に保たれた。
その結果、遺伝子組み換えの稲は酸化剤の少ない火星の土壌で発芽したが、酸化剤の多い土壌では3種類とも発芽することはできなかった。研究チームは実験の結果、遺伝子組み換え稲であれば火星でも発芽は可能と発表した。
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