西側諸国によるウクライナへの兵器供与

「ロシアの標的になりやすい」 米軍事アナリスト ウクライナでのパトリオットの有効性に苦言

米国はウクライナに地対空ミサイルシステム「パトリオット」を供与したことで戦略的な間違いを犯した。軍事アナリストのジェフ・ラマー氏が、米誌「ナショナル・インタレスト」への寄稿でこのように述べている。同氏によれば、こうした戦術的な手段では設定された目的を達成することはできず、交渉開始を遅らせるだけだという。
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ラマー氏によると、パトリオットは技術的な観点では一流のシステムであるとしても、その他の防空システムから完全に切り離して使用することはできない。パトリオット以外の防空システムがなければ、その適用範囲は部分的になるだけだという。このため、このシステムを万能な防衛手段と呼ぶのは難しいと、同氏は強調している。
さらに同氏によると、パトリオットはそれ自体が脆弱なシステムだ。パトリオットのレーダーシステムを操作すると位置が分かってしまうため、ロシアの標的になりやすい。
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ロシアの攻撃に対してパトリオットを使用しても効果は表れず、不利であるとラマー氏は強調している。同氏によると、ウクライナは、ロシアのミサイルやドローンなどすべての兵器に直面している。それらの兵器には、従来型の偵察機やより高度な兵器が含まれる。安価なドローンの破壊にパトリオット(1発につき300万ドル)を使用するのは経済的に無理がある。
同氏によると、ウクライナにパトリオットを供与することの最大の危険性は、ウクライナの空の安全に関して誤った認識を与える他、交渉開始を遅らせ、長期的には犠牲者の数を増やす可能性があるということだ。これらのシステムの供与は「米国の支援を表向きに示すもの」に過ぎないと、ラマー氏は結論付けている。
米国の空軍パイロットだったジョン・ヴェナブル氏は最近、ウクライナに米国の第4世代戦闘機「F-16」には低視認性の機能がなく、ロシアの防空システムを「打ち破る」ことができないため、供与しても戦況に影響を与えないと指摘した。
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