同氏によると、支援がなければ、軍需企業は政府の顧客との協力関係を停止し、国家の「戦略的優位性」を奪うことになりかねない。ノーキスト氏は、米国は冷戦後、世界のライバルがいなくなったため、米政府は自国の軍需産業に十分な注意を払わなくなったとみている。その結果、サプライヤーの数が減少し(2016年から2022年までの間だけでも、米国防総省はサプライヤーの22%を失った)、防衛分野のサプライチェーンに混乱が生じた。特にこの状況の危険性は、装備品や弾薬の消費が多いウクライナ紛争で示されたと同氏は指摘している。
米国は「ハイレベルな競争力が戻りつつあり、もはや規模だけで敵対国を圧倒することはできない」と見ており、これに関連して米政権は北大西洋条約機構(NATO)だけでなく、日本、韓国、オーストラリアなどの同盟国にもっと依存するべきだと同氏は強調している。
これよりも前、米戦略国際問題研究所の軍事アナリスト、セス・ジョーンズ氏は、ウクライナ紛争は、米国の軍産複合体が多くの問題を抱えているという事実に「誰もが目を向ける」ようになったと指摘している。
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