穀物合意 現状と今後の展開

穀物合意延長 関係者が「現時点で良い見通しはない」と明かす

3月に60日間の延長で合意がなされ、18日に期限を迎える穀物合意のさらなる延長には、今のところ幸先のよい見通しはないという。しかしながら、この協議が失敗した場合の最後の望みとなり得るのはトルコ・ロシア間のハイレベル協議だとのこと。この取引に通じた関係者がスプートニク通信に語った。
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国連のステファン・デュジャリック事務総長報道官は15日、穀物合意の今後について、18日までに専門家間での協議が再開されると明らかにした
関係者はスプートニク通信に対し、「これらは専門家代表団の交渉であり、原則的にはこのメカニズムの開始以来続いている」と話したものの、穀物合意延長の見通しについて問われると「現時点では、幸先のよい見通しはない」と述べた。
「今後どうなるかというのは難しい。おそらく進歩はあるだろうが、今日の話からすれば、そのような見通しはない。しかし、我々は皆、このメカニズムが停止しないことを望んでおり、そう決意している」と同関係者は語った。
穀物合意 現状と今後の展開
【図説】穀物合意延長 ロシアが提示する条件
しかしながら、この協議が失敗した場合の最後の望みとなり得るのはトルコ・ロシア間のハイレベル協議だという。同関係者は「今はそのような計画や、その期限について話せることはないが、交渉は可能だ」と話した。
穀物合意は2022年7月22日に、ロシア、トルコ、ウクライナ、国連の間で結ばれたもので、ウクライナの穀物、食糧、肥料を、オデッサを含む3つの港から黒海を通過して輸出することを見込んだものである。トルコ・イスタンブールの共同調整センターが船舶の移動を調整している。穀物合意は今年3月18日に期限を迎えることになっていたが、ロシア外務省は60日間の延長に合意すると発表した(5月18日まで)。
ロシア外務省は「システム上の」5つの問題、すなわち、ロスセリホズバンク(ロシア農業銀行)とSWIFT(国際銀行間通信協会)のアクセス回復、ロシア向け農機具の輸出再開、穀物を搭載したロシア船向け保険サービスの再開、ロシア船の寄港許可、アンモニアのパイプライン「トリヤッチ・オデッサ」の操業再開、肥料を製造するロシア企業に対する制裁解除といった問題の解決に進展がなければ、穀物合意の再延長は不可能だと警告した。
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