ペロシ米下院議長の訪台後、中国人民解放軍は台湾周辺で2度にわたって軍事演習を行った。ロシア・ウクライナ紛争の影響も相まって、台湾海峡両岸の対立がエスカレートし、武力衝突に発展する可能性があるという国際社会の見方が形成されていると李氏は指摘している。この見方は、西側メディアだけでなく、武器供給業者、特にその利益を得ようとする米国軍産複合体によっても活発に流布されている。李氏は、こうしたことが台湾の投資環境(長期的には経済)を悪化させ、バフェット氏の株式売却はこれを明確に示していると強調した。
李氏によると、バフェット氏の決断は、世界で反グローバル化の路線が勢いを増していることを示すもう一つのサインだという。
「米中両政府の間で競争が激化する中、グローバル化の傾向は鈍化し、逆転している。サプライチェーンのアンバンドリングを求める声が大きくなっている。サプライチェーンの切り離しを求める声が高まっている。将来、サプライチェーンは中国から、欧米からの2つになるというアナリストもいる。反グローバリズムの流れに陥っているのだ。この点に関して言うと、投資の利益を評価する際に、地政学的な要素を取り入れる海外投資家が増えている。地政学は、今後長きにわたって投資家の意思決定に影響を与えると私は思う」