ロシア旅行業者連盟のプレスリリースによると、コロナ前の2019年、ロシアからの訪日客数は12万人だった。パンデミックによる外国人観光客の受け入れ停止の時期を経て、徐々に水際対策の緩和が進んでいったものの、昨年1年間のロシア人観光客数は1万400人にとどまっていた。だが、2023年は第1四半期(1~3月)だけで6400人となっている。
ロシアの旅行会社「BSIグループ」のイベッタ・ベルディヤン代表は、次のように指摘している。
「2月、3月ごろには2019年と同水準までツアーの販売が戻ってきています。日本はロシアの旅行市場のなかでは大きなトレンドとはなっていませんが、安定的な需要があります。プログラムの稼働率も高いです。これは日本というエキゾチックな国への関心が高いことと、海外旅行ツアーのセグメントで代わりとなる選択肢が不足していることが原因です」
別の旅行会社「ソディス」も今春、日本行きツアーの販売を再開した。同社のイリーナ・マヌイリスカヤ営業部長は、次のように話す。
「いうまでもなく、日本行きツアーの需要は増加しました。昨年はあまり売れず、ビザも取りにくかったです。ですが、今は大きな関心の高まりがあります。ビザの問題もなく、最大でも2週間、必要があれば1週間で取得できます」
現在、日本とロシアを結ぶ直行便はないため、観光客らはカタール航空やエミレーツ航空で、ドーハ、ドバイなどを経由している。旅行業界は、日本航空やアエロフロート(ロシア航空)の直行便が再開すれば、さらに需要が増えると期待している。
また、人気の旅先としては東京、鎌倉、横浜、富士山、箱根といった関東圏の観光名所のほか、大阪、奈良、京都、岡山などの諸都市が挙げられている。
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