これより前、オランダ国防軍参謀長オンノ・エイヘルセイム空軍大将はウクライナ人パイロット10人へのトレーニングがこの夏にも開始されると発表していた。ボルダー氏は、論理的に考えれば、次のステップは欧州諸国によるウクライナへのF16機の供与になると述べている。
ボルダー氏は訓練には少なくとも4〜6カ月かかるものの、ウクライナ人らのスキルを考慮した場合、操縦訓練は十分にスピーディーに進むとの見方を示している。ただし、コックピットは画面やディスプレイで溢れている。その多くはリスク情報を伝えるもので、こうした複雑な武器システムや電子機器の使い方を学ぶには、もっと長い時間がかかる恐れがある。
ボルダー氏は、F16がウクライナに供与されても、それがポーランドやその他の近隣諸国に駐留することはないと考えている。F16は積み込める燃料が少なすぎるため、給油をしなければウクライナ東部の戦線に到達することはできない。
さらに、NATO加盟国が軍事作戦に関与した場合、紛争に直接関与したことになる。ということはNATO空軍はウクライナ西部または中部に駐留し、活動する必要があり、その際、燃料や予備部品の物流、メンテナンスに関わる問題が全て発生する。ボルダー氏は、パイロットが1時間F16を操縦した後は、メインテナンスに整備士は10時間を費やさねばならないと指摘している。
ボルダー氏はF16が紛争地域の上空を直接飛ぶことは、撃墜される危険性が高いことから、ありえないと考えている。ということは、ウクライナはF16を保有したところで、制空には至らない。
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