スプートニク通信がモスクワで開催した「我々にはいかなるウクライナが必要か」というイベントの中で、ドゥーギン氏は次のように指摘した。
「自らの主権に則った路線に従い、自らの主権に則った文明のパラメーターを保証することでこそ我々は西側と素晴らしい対話のパートナーとなることができる。今は西側が我々を敵扱いしている。そして我々は同じやり方で対応せざるを得ない状況にある」
ドゥーギン氏によるとロシアの勝利が西側に脅威をもたらすことは全くないという。またウクライナは民族としても、領土としても常に存在し続けるとした上で、ウクライナが主権国家として存在してはならないと指摘した。仮に今日のウクライナを「非ナチ化」したとしても明日には再び「ナチ化」する可能性があり、その際にウクライナはハイパー・ミリタリズム、ハイパー・ナショナリズムに到達する可能性がある。そのためウクライナは「大ユーラシア帝国」(ドゥーギン氏が唱えるソ連の継承国)の一部となることでこそ繁栄し、ロシアとの友好関係を復活できると指摘した。
ドゥーギン氏によると、この勝利は西側に対する勝利ではなく、ロシアがソ連崩壊後に経験した様々な困難に対する勝利になるという。
なお、これにより米国による一極集中の世界は崩壊すると指摘した。また、ウクライナ情勢でNATOがロシアと直接対決することはないとも分析した。
昨年8月、モスクワ郊外でジャーナリストのダリヤ・プラトーノワ氏が乗った車が爆破される事件があった。亡くなったプラトーノワ氏は露著名思想家のアレクサンドル・ドゥーギン氏の娘だった。また、先月2日にはサンクトペテルブルクで爆発があり、戦場ジャーナリストのウラドレン・タタルスキー氏が殺害されている。