【視点】日本からのTNT調達は輸出制限に違反しない

米国は軍事目的のトロニトロトルエン(TNT)の調達を日本企業に打診した。しかし日本は殺傷能力のある武器や弾薬の輸出を禁止している。米国は、陸軍の工廠で155ミリ砲弾を製造し、ウクライナに供与するためにトロニトロトルエンを必要としている。ロイター通信が消息筋からの情報として伝えた。
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記事では、米政府はウクライナが反転攻勢を行うのに必要な兵器や弾薬を急いで供与していると指摘されている。
一方、日本はすでに「工業用TNT」を米国に調達する用意があると表明した。また記事によれば、日本は米国の打診に同意した根拠について、この物質は軍事目的以外にも使えるものだからだとしている。
西側諸国によるウクライナへの兵器供与
米国 ウクライナ用弾薬製造に日本でTNT買い占めを画策=マスコミ
記事の筆者はまた、日本の経済産業省は日本のいずれかの企業から、TNTの輸出に関して、経産省に問い合わせがあったかどうかについて明らかにしていないと指摘している。一方で、輸出制限の対象とならない製品に関しては、一般の輸出規則に沿って評価されるとも記されている。
米国務省は、爆薬の購入についての通信社からの質問には直接回答しなかったが、米国は「ウクライナに必要な援助を行うべく」、同盟国やパートナー諸国と協力していると述べた。
今回の問題について、高等経済学院東洋学科のアンドレイ・フェシュン准教授は「スプートニク」からの取材に対し、次のように述べている。

「これは米国が同盟国を、より積極的なウクライナ支援に引き入れようとしているのだと思います。しかし、日本はこの問題に関してはかなり慎重な態度を見せており、ウクライナへの人道支援は精力的に行なっているものの、直接的な軍事支援への参加には抵抗しています。

実際のところ、TNTは武器ではありません。TNTは軍事目的の砲弾や爆発物の製造に使われるだけでなく、採掘や建設産業、地質探査のための爆弾の製造にも使われます。また石油やガスを採掘する際に頁岩層を破壊するのにも利用されています。ですからこれに関して、日本を非難することはできません。それは、さまざまな用途で使われる爆薬の製造に必要なマグネシウムやソーダ、綿などの輸出を非難できないのと同様です」

しかし、一方でフェシュン氏は、米国がこれを他でもない日本に打診したということには驚きを隠せないという。というのも、実際、TNTの大部分がアジアで製造されているものの、日本はその製造量で上位に入っているわけではないからだ。というのも、この物質はきわめて有毒なものではあるが、製造は安価なものであることから、労働力が安い国で行われているのである。そして日本はけしてその代表とはいえない。
さらにフェシュン氏は、「問題は、米国がどのくらいのTNTを調達しようとしているのかということだ」と強調している。
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一方、こうした動きに対するロシアの反応について、フェシュン氏は、ロシア外務省は、「米国に対する日本の依存」に関する声明を出す可能性があると見ている。

「ロシアと日本の関係はそれでなくともゼロのレベルです。これ以上悪くなりようがありません。大切なのは、マイナスの指標に移行しないことです」

専門紙は、さまざまな国で防衛費が増大し、武器や弾薬の市場が拡大していることが爆薬や火薬の製造に拍車をかけることになるだろうとの予測を示している。高エネルギーの爆薬やさまざまなロケット燃料に代わるより安価で安全な爆薬の必要性が、軍事設備、防衛設備の生産者をより多くの刺激し、TNTをより大量に使用させているのである。
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