長期間の宇宙滞在は脳構造の拡大を引き起こす=研究グループ

米国の宇宙医学を専門とする研究グループは、微小重力(無重力)環境における長期滞在が脳にどのような変化をもたらすかを発見した。研究結果が学術雑誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
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米国の研究グループは、同国の宇宙飛行士30人を研究した。このうち8人は宇宙滞在期間が約2週間、19人は6ヶ月、4人は約1年だった。研究グループは、宇宙に長期滞在すると脳室が無重力状態に適応して拡大するという結論に達した。地球に帰還した後、脳室が元の大きさに戻るまでには数年かかるという。
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研究グループは、短期間の宇宙滞在は脳室の大きさにほとんど影響を与えなかったと指摘した。宇宙滞在が6カ月を過ぎてから、脳構造の著しい拡大が始まった。なお、滞在期間が6か月と1年の宇宙飛行士の間に大きな違いはなかったという。そのため研究グループは、無重力環境で過ごす期間が長ければ長いほど、脳室の拡大プロセスが遅くなると考えた。
研究グループはまた、脳室の拡大の度合いが過去の飛行経験に影響されることも明らかにした。前回の飛行から3年以内に再び宇宙へ飛び立った人は、脳室の大きさの変化が最小限だったが、前回の飛行から新しい飛行までの期間が3年以上あいた場合は、脳室が再び拡大し始めたという。したがって、脳室は約3年で地上環境にとって通常の大きさに戻ることがわかった。
スプートニク通信は先に、火星の植民地化にかかる時間について報じた。
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