「この2個の旅団はこの作業(編集注:反転攻勢のこと)のために特別に選出された。欧米の最新の戦車、歩兵戦闘車を備え、欧米から供与された大砲で強化され、NATO提供の諜報情報とNATOの作戦プランをベースにしていた…。だが大敗した」
リッター氏は、ウクライナは声高に掲げるロシアの防衛線を突破し、クリミアとロシア本土を陸上でつなぐ橋を絶つという目的を実際には一度も本気で達成しようとはしていないと見ている。欧米のウクライナ支持者らは「集団自殺も同様の行為にウクライナ人を駆り立て」、それと同じ程、図り切れない大損失をロシア人兵士に与えるために、それ(編集注:上記の目的)は可能だとウクライナ人に吹き込んできた。リッター氏は、欧米は、莫大な犠牲を出せばロシアも士気を失い、ウクライナにも欧米にも受け入れ可能な条件で、交渉による紛争終結に合意するだろうと当て込んでいたと考えている。
リッター氏は、ウクライナとその同盟国の失敗は2つの理由によるものと見ている。ひとつは、ロシア軍、特にザポロジエ州に展開の部隊の戦闘能力を甘く見ていたこと。もうひとつはロシアの防衛線の突破を任務とするウクライナ軍に施されたNATOの訓練と装備に非現実的な期待があったことだ。
リッター氏は、NATOがウクライナに対し、ロシアを相手に戦えと要求しているような戦争の指揮に必要な戦闘訓練も装備もNATO自身が有していない事実をついている。
リッター氏は、最終的にはロシア軍が実際に有する能力のほうが、NATOの戦場における理論を上回っており、ウクライナ軍はまた高い代価を支払ったと結論付けている。さらにリッター氏は、こうした状況がすぐにでも変わる、またはそもそも変わると考えうる根拠はないことから、これはウクライナとNATOの将来にとって良い兆候とは言えないと指摘している。
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