元島民、北海道知事ら 墓参など交流事業の再開を首相に要請

ロシア極東の南クリル諸島(日本でいういわゆる北方領土)をめぐり、元島民の団体や北海道の鈴木直道知事らが13日、岸田文雄首相に対して墓参などロシアとの交流事業の早期再開を要請した。
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首相官邸によると、元島民らでつくる公益社団法人「千島歯舞諸島居住者連盟」の松本侑三理事長や鈴木知事らが官邸を訪れ、墓参などロシアとの交流事業の早期再開に向けた要望書を岸田文雄首相に直接手渡した。
岸田首相は面会で、「日露関係は大変厳しい」としたうえで、領土問題を解決して平和条約を結ぶ方針に変わりはないと表明。また、交流事業については対露関係における最優先事項だと強調した。

「墓参を始めとする北方四島交流等事業の再開は、今後の日露関係の中でも最優先事項である。今後もロシア側に対し、特に北方墓参に重点を置いて再開を求めていきたい」

また、4月にロシア連邦検察庁が「千島歯舞諸島居住者連盟」を「望ましくない外国NGO団体」に指定したことに関しては、「極めて一方的であり、主張はまったくあたらない」と批判した。
【視点】ビザなし再開は日露関係最優先事項の一つ? 根室在住・民間外交の担い手に聞く、四島交流への想い
2022年3月21日、ロシア外務省は、ウクライナでの特殊作戦に関連して日本が一方的な制裁を発動したことを受け、日本との平和条約締結交渉の中止を発表。対抗措置として、ロシアは南クリル諸島への日本人のビザなし渡航を停止した。
これまでに露外務省のマリア・ザハロワ報道官は、2月に日本で行われたいわゆる「北方領土の日」の抗議活動について声明を発表。そのなかで「(抗議に参加する人々は)『露日関係の改善』や元島民の『訪問再開』、『家族・親類の墓参』などを求める声を岸田政権に直接届けるよう推奨する。岸田政権は自国民の利益を無視して米国の都合のいいように、長年にわたって露日双方の努力によって蓄積された二国間関係の肯定的成果を一貫して破壊している」と表明していた。
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