オコナー氏はアジアで活動する米国の大会社のビジネスパーソンの意見を集約し、米国の信頼性の低さは主に、国家債務の上限を絶え間なく引き上げ、また彼は、全てのプレイヤーを苛立たせる制裁政策にあると指摘している。と同時に、米国は、自分達と意見の合わない国を罰するために国際的なメカニズムを利用しており、G7のことはその「仲間」として使っている、と書いている。結果として、アフリカ、ラテンアメリカ、中央アジア、中東、そして中国やロシアの多くの指導者が、責任ある世界のリーダーとしての米国を信じるのをやめた。また、オコナー氏は、2022年を通しての米国の対アフリカ貿易額は、2023年の第1四半期における中国の対アフリカ貿易額よりも少なかったという例を挙げた。
BRICSの南アフリカ特命大使がニューズウィークに語ったところによると、BRICS諸国は安全保障、パンデミック後の復興、技術共有、持続可能な開発、人的交流など幅広いテーマについて議論している。しかし、彼らの主な目的は、米ドルの支配から離れ、米国主導の金融構造から脱却し、世界市場へのアクセスの多様化を実現することである。そのために、主だった加盟国に加え、バングラデシュ、エジプト、アラブ首長国連邦をメンバーに加えたBRICS新開発銀行が創設された。この銀行は、欧米の基準に依存しない資金源となった、とニューズウィークは書いている。BRICS諸国は、グローバルな利益として提示されたものが、実は狭義の欧米の利益であることを長期にわたり理解してきた、とオコナー氏は記事の中で指摘している。今、BRICS諸国は、それぞれの国家が自国の国益を守る権利を持つ多極化した世界を見たいと考えている。そしてオコナー氏によると米国はすでに、世界中でドル離れを求める声が高まっていることに懸念を表明しているという。
記事のまとめとして筆者は、インドのアナリスト、ヴィジェイ・プラシャド氏の言葉を紹介している。プラシャド氏は、多極化モデルの進展に伴い、「米国の冷静な判断が優勢になる」ことを期待している。「米国はBRICSというプロジェクト、つまり非同盟運動(東西冷戦以降、東西どちらの陣営にも正式に加盟していない組織)という新しいプロジェクトに挑戦するのではなく、むしろ折り合いをつけなければならないかもしれない」とプラシャド氏は述べている。
スプートニクはこれより前、BRICS諸国は2028年までに世界の経済成長の33%以上を占めるようになり、G7諸国を上回るだろうと報じた。
関連ニュース