【まとめ】日銀、大規模金融緩和を継続 円安進む

日本銀行は16日、前日から行われていた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1パーセント、長期金利を0パーセント程度に操作する大規模金融緩和を維持する方針を決めた。これを受け、対ユーロ、対ドルなどで円相場は下落した。
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共同通信などによると、16日午前の東京外国為替市場では、1ドル=140円台前半と前日比で1円以上円高ドル安で取引されていた。その後、大規模金融緩和継続が決まると円安に転じ、午後4時半現在では1ドル=141円24銭前後で取引されている。
対ユーロでも16日午後4時半時点で154円50銭前後の相場となっており、前日につけた1ユーロ=153円台の15年ぶりの円安ユーロ高を更新した。
日銀の金融緩和路線の継続は予想の範囲内であったが、市場の一部は日銀の政策決定会合の結果を待ち、サプライズがないことを確認してから積極的な取引を開始したため、円安圧力が強まったとみられている。
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16日午後に行われた日銀の植田和男総裁の会見は、日銀の公式YouTubeチャンネルでも中継された。会見での発言概要は次の通り。
長短期金利操作を含めて現状維持することを全会一致で決定した
円安の日本経済への影響については、具体的なコメントは差し控える
政策決定会合での金利操作の決定について、様々な新しいデータや情報が入ってくるため、それに基づいて前回と違った結果となることなど、ある程度サプライズが発生するのはやむを得ない
足元のインフレ率は3.5パーセントで国民の大きな負担であることを理解している。ただ、この原因は海外発のコストプッシュインフレで、金融政策でどうこうはできない。インフレ率を無理やり下げることも考えうるが、そうすればそのことによるマイナスの方が大きくなる
物価の上昇率縮小の現状については、下がり方が思っていたよりも遅い。先行きについては企業の価格決定や賃上げの影響など、不確実性が高い
企業の値上げについては「自分が上げて、他社も上げるだろう」、賃上げについては「自分も上げないと労働者を雇えない」となった。この動きは非常に重要
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