同紙はこれまでに、SASが対タリバンの急襲作戦時に、アフガニスタンの民間人を処刑したとして、調査を行うと表明していた。
同紙は次のように伝えている。
「将校は命令を無視し、コンピュータのメインサーバーから未知数のデータを不可逆的に削除した」
SASの将校は、本国から軍幹部が訪問するまでデータを保存しておくよう命令を受けていたという。
調査では2010~2013年の間に、SASの3中隊が虐殺に関与した可能性が示唆されている。最大で80人の民間人が犠牲になり、1人の兵士が35人を殺害した疑いもあるという。
昨年12月、英国防省は軍が起こした戦争犯罪などについて調査すると発表した。これは2010年~2011年の間に、SASが50人以上の非武装の民間人を殺害した疑いを受けたものだった。
米国、英国など北大西洋条約機構(NATO)諸国の侵略によって始まったアフガニスタン紛争では、20年で4万2000人以上の民間人が犠牲になった。当時米国の庇護下にあったハミド・カルザイ元大統領でさえ、米軍が行ったいわゆる「対テロ戦争」は「実際は民間人相手に行われた」と発言している。
2021年8月、タリバンはアフガニスタン政府に対する攻勢を強め、首都カブールを掌握。アシュラフ・ガニ元大統領は出国した。同月末には駐留米軍が完全撤退し、タリバンによる暫定政権が誕生した。
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