「紛争が始まる前からその中心にいた」 米メディア、ウクライナ紛争へのCIAの関与について報じる 

米ニューズウィーク(NW)は、ウクライナでの米中央情報局(CIA)の活動規模に関する記事を掲載した。NWによると、CIAはウクライナ紛争が始まる前からその中心にいた。現在ウクライナを秘密裏に支援しているのが、まさにCIAだ。彼らは物流担当者や情報提供者などの役割を果たしている。その活動のために、民間航空機を使った兵器の密かな輸送が維持されていたり、ウクライナやロシアにいる自分たちの工作員と通信するための拠点がポーランドにつくられた。一方、CIAは、兵器供与の際の汚職など、さまざまな問題に直面している。またCIAは、ウクライナのゼレンスキー大統領が自国の軍を完全に管理下に置いていない可能性を懸念しているという。
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ウクライナ紛争へのCIAの関与

Newsweekの消息筋によると、CIA工作員は何度もウクライナを訪れ、新しい兵器やシステムを使った活動でウクライナを支援した。CIAの活動は厳しく規制されており、ウクライナに一度に滞在できる職員数は100人未満に限られていたという。
匿名を希望する米情報機関関係者によると、CIAはウクライナ紛争に積極的に関与しており、紛争が始まる前からその中心に位置していた。
一方、情報筋は、CIA工作員はウクライナ紛争に直接的には関与していないと強調したている。
CIAは「主要なスパイ、交渉人、情報提供者、物流担当者」などの重要な役割を果たしている。まず、状況が制御不能にならないように管理しているという。

ウクライナへの兵器供与は民間航空機を使って秘密裏に行われている

NWは、ウクライナに兵器を輸送するために米国が2つの主要な輸送ネットワークを維持していることを明らかにした。そのうちの1つは国のネットワークで、もう1つは地下ネットワークだ。貨物は船でベルギー、オランダ、ドイツ、ポーランドの港に公然と運ばれたあと、トラック、列車、飛行機でウクライナに輸送される。また、民間航空機の集まりである所謂「グレー・フリート」が、中央と東欧を横断して兵器を秘密裏に輸送している。NWの情報筋は、もしこれらの航空機の詳細が明らかになれば、ロシアは「その拠点とルートを攻撃するだろう」と語っている。
一方、CIAは兵器の供与を背景に東欧で汚職に直面した。匿名を希望する米情報機関の関係者によると、米国の情報機関は兵器の供与先を注意深く追跡しており、ウクライナに巨額の資金が送られることに関連した横領や賄賂の防止に取り組んでいるという。
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CIAはポーランドを通信拠点として利用している

NWは、CIAの実務従事者はロシアやウクライナにいるスパイを含む大勢の工作員と
ポーランドからやり取りできると主張している。ポーランドの複数の基地にCIAのほぼすべての特別行動センターの職員が配置されており、ウクライナの同業者や20カ国の特殊作戦部隊と協力しているという。
NWによると、紛争開始から約1か月後に、ポーランドを通信拠点として使用することについて合意した。当時、CIAのバーンズ長官がポーランドの情報機関トップと会談するためにワルシャワに飛んだという。

CIAはゼレンスキー大統領がウクライナ軍を完全に管理下に置いていない可能性を懸念

CIAは、ゼレンスキー大統領がウクライナ軍を完全に管理下に置いていない可能性を排除していない。クリミア大橋が攻撃されたあと、CIAはゼレンスキー氏が自国の軍を完全に管理下に置いていなかったか、あるいは特定の行動について知ることを望んでいなかったことを知ったという。匿名を希望する情報機関関係者がNWに語った。
橋が攻撃されたあと、ウクライナの首都キーウ(キエフ)から約1237キロに位置するロシア南部エンゲリスにある軍用飛行場が攻撃された。高官によると、CIAはこれらの攻撃について事前に知らなかったが、その発生源を明らかにしようとしたという。
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