そのほか、各国との関係や位置づけは次のようになっている。
ロシア
ウクライナ情勢を背景にロシアを「欧州方面における防衛上の最も重大かつ直接の脅威」と位置付けた。また、露中が日本周辺で共同演習を活発化させていることを受け、日本にとってロシアは「中国との戦略的な連携と相まって安全保障上の強い懸念」であると指摘。昨年版にあった「動向を懸念を持って注視する必要がある」との表現より一歩踏み込んだ形となった。
中国
中国については、日本と国際社会の「深刻な懸念事項で あるとともに、これまでにない最大の戦略的挑戦」と評価した。台湾問題については「米国や同志国などと連携しつつ、動向を一層の緊張感を持って注視する」と記した。
北朝鮮
2022年に頻発した弾道ミサイルなどの発射実験を踏まえ、「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」と位置付けた。また、ミサイル防衛網を突破する能力を向上させているほか、鉄道発射型、潜水艦発射型など運搬手段の多様化も進んでいると指摘した。
米国
日本の反撃能力の効果的な運用に向けて、日米間での協力を深化させることを決定したと言及。また、2013年からの10年間で、日米間の軍事演習回数は4倍に、他国との演習も約2倍に増えたと指摘されている。
NATO
北大西洋条約機構(NATO)は「基本的価値とグローバルな安全保障上の課題に対する責任を共有するパートナー」とした。一方、NATOの東京事務所開設については防衛白書には言及されていない。防衛省は「議論の段階でまだ決定したことはないため」と説明している。
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