米国はウクライナに対し、31台のエイブラムス供与を約束している。当初は改良型の「M1A2」を送るとしていたが、その後備蓄として残っている旧型の「M1A1」に変更した。これまでに米側は、エイブラムスがロシア軍に鹵獲されるのを見越して、機密技術の流出を防ぐために改造を行っていた。
エイブラムスは一部メディアから「燃料をむさぼり食うブタ」と呼ばれるほど、燃費が悪いことで知られている。起動させるだけで6リットルのジェット燃料が必要で、その後は1リットルあたり200メートルしか進めない。1両辺りで1日2000リットルを消費するため、31台そろったときに必要になる供給網確立の困難さは想像に難くない。
さらに、ロシアの戦車「T90M」が約48トンなのに対し、エイブラムスは67.6~73.6トンとかなりの重量級だ。イラクやアフガニスタンなどの荒野での戦闘とは違い、ウクライナの泥地では身動きが取れなくなる可能性がある。また、露戦車が渡れる小さな橋は、エイブラムスの重さに耐えられないという事態も想定される。
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