カズュリン氏によると、今年9月にもウクライナへのエイブラムス戦車の供与が始まる可能性がある。そのオリジナルの改良型には多数の先端技術が盛り込まれており、新しい射撃管制システムや熱画像パノラマ照準器が搭載されている。一方、ウクライナ向けのエイブラハムは事前に改修される予定で、その過程でまず劣化ウランを使用した装甲が除去される見込み。その開発の機密性が高いことが理由だとされる。カズュリン氏は「米国がドイツで行うことを決めた(ウクライナに)供与する戦車の改修は、もちろん、ロシア軍の手に渡らないようにするためにすべての機密技術を取り除くことを意味している」と強調した。
同氏によると、ウクライナ軍向けの米国製戦車はドイツからウクライナに送られる前にさらに修理して「きちんと仕上げる」必要があるという。カズュリン氏は、実際の軍事行動の性質、特に無人機(ドローン)が積極的に使用されていることを考慮して、ドイツでは「剥ぎ取られた」エイブラムス戦車の保護を強化したくなるはずだとの見方を示した。なお、ウクライナの乗組員はドイツのグラーフェンヴェーアでエイブラムス戦車の操縦訓練を受ける予定。訓練期間は10週間とみられている。
スプートニク通信は先に、ロシアが構築した地雷原によってウクライナの戦場で戦う西側の軍事機器の脆弱性が明確に示されたと報じた。
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