同紙によると、当時、英国によるウクライナへの「チャレンジャー2」14両の提供は、他の西側諸国に自国の戦闘車両をウクライナ軍に供与するよう説得するのに役立った。それ以降、ウクライナ軍部隊にはドイツの主力戦車「レオパルト 2」や米国の歩兵戦闘車「ブラッドレー」をはじめとした北大西洋条約機構( NATO )の装甲戦闘車両が再装備された。西側からは、それぞれ約3000人の部隊からなる最大15個のウクライナの旅団に装備できるだけの十分な車両が供与された。
クロフォード氏によると、これら旅団の一部は戦闘に参加し、それは破壊されて燃えた「レオパルト」や「ブラッドレー」の多数の写真やビデオによって証明されているが、「チャレンジャー2」が戦場で使用された証拠は現時点ではない。同氏は、理論的に「チャレンジャー2」は前線で使用されたあと「生き残った」可能性もあるが、「チャレンジャー」は「レオパルト2」と同じように地雷や攻撃用ドローンに対して脆弱であるため、その可能性は低いとの見方を示している。
クロフォード氏は、「チャレンジャー2」はまだ前線に投入されていない部隊に割り当てられたか、または輸送や訓練が原因でその展開が遅れている可能性があると考えている。またデイリー・エクスプレスによると、「チャレンジャー」はウクライナ軍の空挺兵団に配備された可能性があるほか、米国製の装甲車「ストライカー」やドイツ製の歩兵戦闘車「マルダー」が装備された部隊もまだ戦闘では確認されていない。
またクロフォード氏は、英国には「みじめ」な戦車が134両残っているが、これは欧州の軍事大国を目指す国にとっては少なすぎると指摘している。
英国防省は過去に、維持・改修が経済的に見合わないとして、ウクライナに供与できたはずの「チャレンジャー2」43両を廃棄処分していた。
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