米国、「露中の脅威」を口実に日本を軍国主義化=パトルシェフ氏

ロシア国家安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記は22日、日本は米国によって再び軍国主義に向かっており、その口実として「ロシアと中国の脅威」を利用していると指摘した。例としてアジア太平洋地域で日米が進める短中距離ミサイルの配備計画を挙げ、露極東の安全保障を損なうものとして警戒感を示した。
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マガダン州で開かれた露極東地域の安全保障会議でパトルシェフ書紀は、米英がウクライナでやったように世界中で「他人の手」を利用して戦争を進めていると指摘し、次のように話している。

「アングロサクソン人は日本を地政学的ゲームに引き込もうとしている。日本は米国の政策を辿り、軍国主義化の方針を定めた。再び帝国のスローガンが聞こえる。書庫から『ロシアと中国の脅威』という方法論を取り出し、『北方領土』の報復的奪還計画を練っている」

ニコライ・パトルシェフ
ロシア国家安全保障会議書紀
一例としてパトルシェフ氏は、日米が進めるアジアでの短中距離ミサイルの配備計画を挙げ、「我々の極東の領土に追加の安全保障上の脅威を与えるものだ」と批判した。
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米国は世界的な覇権維持のため、アジア太平洋地域でロシアや中国の国境線に迫り、軍事インフラの強化に躍起になっている。パトルシェフ氏はこうした動きには米英豪のAUKUSや台湾への軍事援助、形成されつつある新たな軍事的枠組み「太平洋4(日米豪フォリピン)」などが含まれると指摘している。
さらに、パトルシェフ氏は日本が防衛費を大幅に増額させていることにも言及。日本の政界の一部から核共有の議論の必要性を指摘する声が上がっていることを念頭に、「核武装についてさえ思案している」と指摘した。
また、このごろ露参謀本部諜報部門のイーゴリ・コスチュコフ海軍大将が報告したところによると、米国は2028年を目処にアジア太平洋地域に新たに2部隊を配備する計画だ。この部隊は射程5500キロの長距離精密攻撃が可能な超音速ミサイルや、射程2400キロの地上発射型巡航ミサイル「トマホーク」を含む兵器で武装されるとみられる。候補地の一つは太平洋戦争の激戦地となった硫黄島と目されている。
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