「現代人には仏教は大変有意義なものだと思います。優しさや同情の心といった、感情的な面での知、知性を発展させることができるのが仏教です。学校での勉強以外にこのような感情面での教育が必要だと思いますし、何よりも重要なのは、憤怒、怒りといった、ネガティブな感情をコントロールする能力を発展させることです。仏教は、単純さ、わかりやすさを持ちながら、時代や社会情勢にあわせて柔軟に対応していく姿勢もあります。また、当たり前とされていることに対し疑問を呈することは悪いことではない、むしろ必要であるとされています。そして、勧誘や無理な布教活動が一切ないことも気に入っています。
私たちカルムキアの仏教徒にとって、ラマ(チベット仏教の僧侶)は、別の世界の人ではありません。彼らはオープンで、こちらが求めれば、時間を割いて生活上の悩みなど個人的な話を聞いてくれたり、仏教について教えてくれます。また、ラマと話さなくても、仏教寺院を訪れると、寺の中はとても美しく、良い匂いがします。1時間半の法要に参加して、マントラの響きを聴きながら心を落ち着けると、それだけで少し良い気分になれます。これは心理セラピーに似ています」
「数千人のチベット仏教のラマ、それに加えて1万人の仏教徒が一堂に会する様子は言葉で表し難いもので、大変感動しました。これだけ多くの人が一つに繋がっているのです。数千人のラマが同時にマントラを唱える様子に感極まり、思わず涙が流れてきました。その声は、ダライ・ラマの登場とともに、ますます大きくなりました。ダライ・ラマの講話は早朝から行われ、10言語の同時通訳がつき、ロシア語も日本語もありました。エクスカーションで行ったナーランダ大学跡は非常に強くエネルギーを感じる場所でした。ツアー参加者は世界中から来ており、日本人もいました。フレンドリーで皆さんオープン。彼らと話すことはとても楽しく、ポジティブな気持ちになれました」