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1回の注射で十分 米国の研究チームがアルコール依存症の治療法を発表

米国の研究チームが実施した研究で、遺伝子治療が重度のアルコール依存症の救済方法となる可能性があることが示された。たった1回の注射で十分だという。この新しい治療法はサルを使った試験に成功し、今後、人間での臨床試験が行われる予定。ネイチャーメディシン誌で発表された。
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同誌によると、過度の飲酒は脳の特定領域に悪影響を及ぼし、「快楽ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質ドーパミンの生成を遅らせたり、困難にする。深刻化するドーパミン不足を補うために、アルコール依存症の人は「快楽ホルモン」の代わりとなるアルコールの量を徐々に増やすことになる。そして、アルコールによって抑圧された体はドーパミンの正常なレベルを維持することに対処できなくなり、悪循環が生じる。このような悪循環からアルコール依存症に苦しむ人が自力で抜け出すことはできない。
米国の研究チームは、アルコール依存症の人に特徴的なドーパミン不足をアルコールを使用せずに補う方法を考案した。研究チームが考案したメソッドは、特殊なタンパク質AAV2-hGDNFの遺伝子を含むウイルスベクターを必要な量だけ患者の脳に1回の注射によって送達するというもの。AAV2-hGDNFは必要な量のドーパミンの継続的な生成を促進し、アルコール依存症の再発を防ぐ。
研究チームは、アルコール依存症になった雄のアカゲザル8頭でメソッドの効果をテストした。アカゲザル4頭の脳にAAV2-hGDNF遺伝子を含むウイルスベクターを注射し、残りの4頭には注射を打たなかった。4週間の禁酒期間と4週間の飲酒期間を交互に数回繰り返した結果、研究チームは、注射を打たれたサルは注射を打たれていないサルとは異なり、血中エタノール濃度が変化せず、飲酒期間でさえもアルコールを摂取しようとしなかったことを発見した。
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研究チームは「今回得られた結果は、遺伝子治療が飲酒量を減らすことができることを物語っている。このアプローチはアルコール依存症の有望な治療法としてさらに研究する価値があると考えている」と発表した。
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